医療
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冠動脈造影上病変進展患者の予後規定因子
池 信平丸山 敦司森田 孝廣岡 慶治陳 若富浅生 雅人林 亨井上 通敏
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1997 年 51 巻 8 号 p. 352-356

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抄録

冠動脈新規病変の進展は, 心臓死, 急性心筋梗塞, A-Cバイパス手術と並んで非常に重要な冠動脈イベントの一つである. 我々は, 1985年から1996年までの虚血性心疾患患者1098名のCAGフイルムを検討し, 94症例(平均年齢61.6歳, 男74, 女20例)に新規病変の出現を確認した. この94症例につき予後規定因子として, 年齢, 発症様式, 病変形態, 左室収縮率(EF), 病変罹患枝数, 梗塞罹患枝数, 完全血行再建の有無を取り上げ, その後の予後に与える影響について検討した. 94症例の病変出現後の5年生存率は, 93.5%と比較的良好であったが, 新規病変出現後のEF低下症例(P=0.04), 不完全血行再建症例(P=0.02), 病変出現前の多枝梗塞罹患症例(P=0.02)が各対照群に比し有意に予後不良となった.

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© 一般社団法人国立医療学会
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