1997 年 51 巻 8 号 p. 357-361
現在下咽頭頸部食道再建において遊離空腸移植による頸部食道再建は最も安全で合併症の少ない術式と考えられる. 今回われわれは当院で行った頸部食道再建術症例10例を対象に再建術式, 術後機能, 術後合併症などについての検討を行った. 再建方法は大きく分けてステッキ型とρ型再建に分けられるがどちらの方法でも術後機能に大差はなかった. しかし, ρ吻合で再建した5例中1例に再建腸管のハンモック状の垂れ下がりが原因と思われる食物の停滞, 逆流がみられた.