医療
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白赤芽球症について
―定義の確認と臨床的重要性―
千葉 陽一
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1997 年 51 巻 9 号 p. 398-402

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抄録
Leukoerythroblastosis=白赤芽球症について概説し, 当症の臨床的重要性を論述した. 当症の定義を記し, 類白血病反応と同義でないことを強調した. 当所見がみられる諸疾患・病態を挙げ, その機序を推察した. 当症の第1群はMyelophthisis=骨髄癆で, 骨髄癌症・蓄積病・肉芽腫・骨髄壊死が属し2群に血液疾患, 3群に他諸疾患が属す.
当所見は骨髄癌症に多くみらる. 骨髄癆は骨髄が非造血細胞に占拠されている状態に用い, 再生不良性貧血には用いないことを提唱した. 最後に網状赤血球数と赤芽球数の比較による骨髄癌症と他疾患との鑑別式を提示し諸氏による追試を提案した.
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© 一般社団法人国立医療学会
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