小児急性リンパ芽球性白血病は近年, 細胞学的研究の進歩とともに, 白血病細胞が詳細に分析されるようになり, その病態の解明, 分類や治療に大きな進歩がみられている. ことに免疫学的分類や, 染色体転座型などの分類がされ, 病型より特有の臨床的特徴を持つものや予後との関連性が強いものなどが明らかにされてきた. 予後に関連する因子の解析から, 予後良好な標準危険群や予後不良因子を有する高危険群などに分類し, それぞれに適切な治療法が行われている. 治療法は緩解導入療法, 強化地固め療法, 中枢神経系白血病予防治療と維持療法により構成され, その治療成績では, 長期生存率が60~80%となっている. 治療成績の向上とともに長期生存例が増加し, 晩発性の障害が問題となってきている.
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