抄録
平成6年3月, 「国立療養所の在宅医療推進のための研究班」が発足した. 当院が事務局を担当したことを契機に, 病院として在宅医療実施のための規約を作成し, また人員の確保や担当病棟を整備し継続的で計画的な在宅医療を開始した.
今年で本格実施後4年半が経過した. 当院では在宅ケアに3つの柱を設定している. 在宅医療/訪問看護の実務と教育研修, そして研究である. 在宅医療の実践がなければ質の高い教育研修もできない. また在宅ケアを担当する実務者の研修なしには, 継続的な在宅医療は不可能である. まさに両者は車の両輪である. 対象は神経難病, 在宅酸素療法や癌などの呼吸器疾患, 発達障害などいわゆる政策医療に限定した. 効率的ではないが, 周辺の医療環境を考えると妥当な選択だったといえる. 平成9年度の実績では, 実施件数474件, 診療点数で約180万点である. また教育研修はヘルパーや保健婦, 訪問看護婦など在宅ケアに実際にかかわっている人達を対象にしてあらゆるレベルの研修を行っている.
国立療養所における在宅ケアは, QOLを求める患者, および地域医療や地域連携のために, また職員の活性化, 病院の経営改善のためにも必要な業務と確信する.
在宅ケアで病院が変わった.