抄録
腹腔鏡下子宮全摘術は良性子宮疾患に対して広く行われるようになってきている. 国立京都病院においても, 経年的に腹式子宮全摘術症例数が減少し, これに代わって腹腔鏡下子宮全摘術症例数が増加している. 一方, 膣式子宮全摘術症例数には大きな経年的変化はみられない. 摘出子宮重量および術中出血量はいずれも腹式>腹腔鏡下>膣式であり, 手術時間は腹腔鏡下>腹式>膣式である. 術後における鎮痛剤の使用回数は腹式>膣式>腹腔鏡下であり, 術後入院日数は腹式>膣式=腹腔鏡下である. 腹腔鏡下子宮全摘術は, 手術侵襲および美容的観点から, 手術を受けるものにとって非常に好ましい術式であり, かっ, 過去において腹式手術の適応とされていたものの多くが腹腔鏡下に対処できるようになっている. 腹腔鏡下子宮全摘術は今後ますます多くの症例に対して実施されるようになると思われるが, 合併症がまったくない訳ではなく, 術者は常に研鑽を積む必要がある.