抄録
外科領域の腹腔鏡下手術は胆摘術に始まり, 近年目覚ましい発展を遂げ, 脾臓摘出術も腹腔鏡下に治療されるようになってきた. 当初, 血管に富み, 脆く損傷しやすい臓器であったことから普及化に困難さが感じられた術式ではあったが, 手術手技, 自動縫合器などの機器の発達により, 近年ではかなり一般的な手技となりつつある. 適応となる疾患は後述のごとく, 特発性血小板減少性紫斑病(ITP)や, 遺伝性球状赤血球症(HS)などの血液疾患や, 最近では脾機能亢進症に対しても本術式が適応されてきている. 手術方法は, 胃大網を切開し, 短胃動静脈, 脾門部を先に処理するanterior apProachと, 脾結腸靱帯から, 脾背側の後腹膜を切開し, 最後に脾門部を処理するlateral apProachとがあるが, 最近ではlateral approachが一般的になりつつある. また, 膵臓に対する腹腔鏡下手術の報告も散見され, 膵嚢胞切除や, 体尾部切除, また膵頭十二指腸切除の報告までみるようになった.