医療
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肝臓移植の概説
佐伯 守洋
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1999 年 53 巻 3 号 p. 171-176

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抄録
肝臓移植は胆汁鬱滞性疾患, 肝硬変症, 先天性代謝異常症, 激症肝不全, 原発性肝腫瘍などを対象として, 重篤な状況下からの救命のみならずquality of lifeの向上を目指す治療手段として定着した. 血縁者からの生体部分肝移植はレシピエントの状況に合わせた手術が可能で, バイアビリティの良好な移植肝を得られるなどの利点を有するが, 健康な人を傷つけるという大きな問題がある. 脳死肝移植はこの問題を解消するが, 自分に合ったドナーの出現を待たなければならないのはレシピエントにとって負担である. 生体移植, 脳死移植ともに生存率は70~80%と良好であり, それぞれの利害を考慮して, 移植を受ける側に最良の方法を選択できるのが望ましく, 脳死移植が可能となったわが国において脳死からの臓器提供が定着するよう広く理解を求めることが重要である.
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© 一般社団法人国立医療学会
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