抄録
腎臓移植は末期慢性腎不全患者の根本的治療法として確立された医療であるが, 本邦の腎移植は年間600-700例である. 本邦では約176,000人が血液浄化療法(血液透析, CAPD)を受けており, その内14,000人が献腎移植を希望して(社)日本臓器移植ネットワークに登録している.
腎移植には健康血縁者からの腎提供を受けて行う生体腎移植, 死亡後の腎提供を受けて行う献腎移植がある. 生体腎移植および献腎移植の実際的な手順, 移植手術, 腎移植後の免疫抑制剤投与, 拒絶反応, 移植腎機能および患者管理について述べた.