医療
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膵・膵島移植の現状
坂本 薫
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1999 年 53 巻 3 号 p. 182-186

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抄録
膵臓移植の症例数は国際膵移植登録機構によると1997年末までに全世界で10,000例以上行われている. 1994-97年の膵腎同時移植の1年生存率は94%, 膵臓の1年生着率は82%であり心, 肝, 腎などの移植に比しても遜色はない. わが国では1984年から1993年の間に国内5施設で11例の膵腎同時移植と4例の腎移植後膵臓移植が施行されている. 膵島移植は内分泌組織のみを移植する方法で糖尿病治療の目的に照らしてより合理的かっ安全な方法として期待されている. しかしながら, 年々改善されているとはいえその成績は膵臓移植にいまだおよぼない. 国際膵島移植登録機構によれば1995年までに305例の成人膵島同種移植が行われているが, 最近の1年生存率は95%であり, 1年生着率は27%, インスリン離脱率は7%である.
現在われわれは膵・膵島移植研究会を中心に膵・膵島移植をわが国で定着させるために活動を続けている.
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© 一般社団法人国立医療学会
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