1999 年 53 巻 5 号 p. 339-342
目的: 中・高度OA膝に有効なG-IIOA装具に対し, 足踏み動作時の膝運動の動的評価をシネラジオグラフィー法(足踏みシネ)で行いその特性をみた. 対象と方法: OA膝5例に対し, G-IIOA装具装着時と非装着時の膝運動を足踏みシネで評価した. 3歩分を1/30秒毎に撮影し, 側方亜脱臼と側方動揺性を計測した.
結果: 側方亜脱臼は装具装着により整復され, 側方動揺性は5例中症例状の改善した8例で大きくなることがわかった.
考察: 装具なしでは, 内側関節の小面積で荷重伝達をしていたが装具装着により外側動揺が大きくなり, 内側関節の整復が得られ, 荷重伝達面積が増加したため疼痛軽減ができたと推察した. またOA膝の疼痛発生の要因には側方動揺性と側方亜脱臼が大きく関与していることが示唆された.