1999 年 53 巻 9 号 p. 579-582
糖尿病(IDDM)2名の患者に四肢末梢に浮腫性硬化性病変を認めた. 強皮症とは異なり自己抗体は見られなかった. この病変部より生検を行ったところ, 真皮膠原線維の増生がみられdiabetic thick skinと診断した. プロテオグリカン(PG)に対するモノクローナル抗体を用いて免疫組織学的に検索した. 6-B-6(デルマタン硫酸PG)と2-B-1(large PG)が真皮乳頭層に見られ, 血管周囲にはとくに2-B-1が強く発現された. これらのPGは膠原線維の増生とともにdiabetic thick skinの皮膚硬化に関与しているものと考えられた.