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心エコー図による心室性期外収縮の起源の検出法
松崎 秀男鈴木 博雅野村 秀樹鵜養 恭介
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2000 年 54 巻 3 号 p. 119-124

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抄録
目的:心エコー図による心室性期外収縮(PVC)の起源の検出を検討するため, 器質的心疾患を有さない42例のPVC多発例に心エコー図を行いPVC時の心室壁運動異常を検討し, 内10例でPVCの心電図の開始からMモード図の収縮開始までの時間を測定した. 心電図上PVCを左脚ブロック型, 右脚ブロック型, 分類不能型に分け, さらに軸変化によりそれぞれ下方軸型, 左軸型とした. Mモード図で収縮早期と後期に異常壁運動が認められた. 左脚ブロック下方軸型では右室前壁と中隔から左室側壁に, 左脚ブロック左軸型では右室後壁と左室下壁から中隔に, 右脚ブロック下方軸型では左室後壁から左室側壁と前壁側中隔に, 右脚ブロック左軸型では左室下壁から心室中核に, 分類不能型下方軸型では前壁側中隔から左室側壁と左室後壁に, 分類不能型左軸型では右室後壁と左室下壁から中隔に, それぞれ異常壁運動が認められた. 次に最も早く収縮を開始した部位は, 左脚ブロック下方軸型では前壁側中隔, 左脚ブロック左軸型では下壁側中隔, 右脚ブロック下方軸型では前壁側中隔から左室側壁, 右脚ブロック左軸型では下壁側中隔, 分類不能型下方軸型では前壁側中隔, 分類不能型左軸型では下壁側中隔であった. 以上のように心エコー図検査はPVCの起源の推定に有用であり, 電気生理学的検討を補うものと考えられた.
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© 一般社団法人国立医療学会
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