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血液透析患者における血漿心房性ナトリウム利尿ペプチドおよび脳性ナトリウム利尿ペプチドの検討
宮田 康好平島 定松屋 福蔵林 幹男進藤 和彦
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2001 年 55 巻 4 号 p. 170-174

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抄録
心房性ナトリウム利尿ペプチドや脳性ナトリウム利尿ペプチドは, 血液透析患者における循環血液量増加による心筋負荷と関連すると言われている.しかし, I型とII型ダイアライザー別の透析前後の測定値の変化についての報告は少ない.
我々は心不全や急性呼吸不全患者を除いた32名(平均年齢59.7歳, 平均透析歴69.0カ月)について, 透析前後に心房性ナトリウム利尿ペプチド, 脳性ナトリウム利尿ペプチドおよび心胸比を測定し検討した.
その結果, 1) 心房性ナトリウム利尿ペプチドは透析後に有意に低下していた. 2) 心房性ナトリウム利尿ペプチド減少率は体重減少率と正相関を認め, 脳性ナトリウム利尿ペプチドは体重減少率との相関を認めなかった. 3) I型とII型では血液透析前後での脳性ナトリウム利尿ペプチド値, およびその減少率に差を認めた.
脳性利尿ペプチドについては, 透析前での測定が好ましいと思われた.
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© 一般社団法人国立医療学会
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