抄録
国立呉病院を受診した網膜中心静脈閉塞症18例18眼の検討を行った.
虚血型であったのは5眼(27.8%), 非虚血型であったのは13眼(72,2%)であり, 非虚血型より虚血型へ移行したのは13眼中1眼(7.7%)であった.
虚血型の1年後の矯正視力は0.1以下で不良であった. 非虚血型の13眼中6眼(46.2%)が網膜出血, 黄斑浮腫が完全にまたはほとんど消失して良好な経験をとった.
初診時, 非虚血型で黄斑浮腫による視力低下がほとんどなかった5眼において4眼(80.0%)が良好な経過をとった. 黄斑浮腫による視力低下があった8眼において2眼(25.0%)が良好な経過をとった.
高気圧酸素療法の視力改善率は9クール中1クール(11.1%)と低く, 高気圧酸素療法は視力予後に影響がなかった.
全身合併症は高血圧と糖尿病がそれぞれ8例(44.4%)にみられた. 眼合併症は緑内障が2例(11.1%)にみられた.