医療
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小児ICUから見た救急医療の現状と問題点
阪井 裕一
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2002 年 56 巻 1 号 p. 32-35

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抄録

現在小児の救急医療体制が整備されていない大きな原因の一つは, 重症患者を受け入れる能力のある小児ICU (Pediatric ICU)を備えた施設がきわめて少ないという点にあると思われる. 医療施設が集中している東京においてさえ, 小児の重症患者に対して呼吸循環管理をいつでも施行できる, という病院はほとんどないのが実情である, 小児の重症患者を絶対断らずに24時間体制で受け入れる, という北米の小児病院のような施設があると, 各施設の救急担当医は重症患者を安心して送ることができる. 卒後教育の面においても, 心肺蘇生などの技術を教える場となるべき小児ICUがないことが, 大きな痛手となっている.
日本においても各地の小児病院が患者のニーズに目を向けて救急医療を行い, 重症患者を24時間体制で受け入れる小児ICUを整備することが, 小児救急システムの問題解決につながると考える.

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© 一般社団法人国立医療学会
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