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脳神経血管内治療―脳動脈瘤の塞栓術―
園部 眞中居 康展杉田 京一
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2003 年 57 巻 4 号 p. 247-252

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抄録
われわれは, 現在Guglielmi detachable coil(GDC)による塞栓術を動脈瘤治療の第一選択としているので, その治療結果を報告する. 対象: 国立水戸病院に入院したくも膜下出血の患者330人と, 未破裂動脈瘤の治療目的に入院した85人である. 結果: 1) 塞栓術が選択された中で, 破裂動脈瘤では中大脳動脈瘤が少なく, 未破裂動脈瘤では内頸動脈瘤が多かった. 2) 破裂動脈瘤では, GDC塞栓術を行った141例中, 予後良好群は79%であった. 一方, 開頭クリッピングを行った61例でも予後良好群は77%であった. 75歳以上の破裂脳動脈瘤で塞栓術を行った23例で, 17例(74%)が予後良好であった. 3) 脳血管攣縮については, 症候性脳血管攣縮を発現したのが16例(15.2%), 症状が残存したのが4例(3.8%), 死亡1例(0.9%)であった. 4) 未破裂動脈瘤は塞栓術およびクリッピング術を行った全例がgood recoveryで退院している(morbidity: 2.6%).
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© 一般社団法人国立医療学会
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