医療
Online ISSN : 1884-8729
Print ISSN : 0021-1699
ISSN-L : 0021-1699
SARSの院内感染対策
照屋 勝治
著者情報
ジャーナル フリー

2004 年 58 巻 3 号 p. 153-158

詳細
抄録

今後, SARSは不可避な院内感染として国内発生する可能性が考えられ, 現場の医療従事者がSARSの可能性をいち早く認識し, 適切な感染対策を開始することが重要である. 医療従事者はSARSの犠牲者となるリスクがもっとも高く, かつSARS制圧においてももっとも重要な役割を果たす. SARS対策でもっとも重要なのは院内感染対策なのであり, すべての医療従事者は, 良くも悪くもSARS制圧の最前線にいるのだということを忘れてはならない. 飛沫感染が主要な感染経路であると考えられており, 感染力はそれほど強くないと考えられている. 正確なトリアージを含む, 適切な感染防御対策により2次感染をおこすことなく診療が可能であることを示すエビデンスが集まりつつあり, 各施設が十分な対策を行って慎重かっ冷静に対応することが望まれる.

著者関連情報
© 一般社団法人国立医療学会
前の記事 次の記事
feedback
Top