抄録
内分泌疾患には比較的頻度の低い疾患が多く対象臓器が下垂体, 甲状腺, 副甲状腺, 副腎, 性腺など多種多様であり教育・研修の観点から一施設で豊富な診療経験を積むのは困難である. 本研究班では, 内分泌代謝性疾患ネットワーク内における当該疾患の診療状態を把握し, 施設問交流によって多様な疾患を経験できる環境をつくること, その際, エビデンスに基づいた標準的な診療行為を可能にするための診断・治療ガイドラインを作成すること, 日本人のエビデンスを作成することをも目標にした. 前段階として行われた研究において, 当ネットワークに参画する国立病院・療養所23施設における過去3年間の内分泌代謝疾患入院患者を調査し, データバンクを構築した. この分析により, ネットワ-ク施設における内分泌代謝性疾患診療の現状が明らかとなった.