医療
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進行性核上性麻痺患者家族からの現状報告と提言
有馬 靖子
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2005 年 59 巻 9 号 p. 501-505

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抄録

本稿では, 患者家族の立場からPSP患者の闘病生活の大変なこと, 米国のPSP協会の活動, わが国におけるPSP支援プロジェクトの3つについて述べる. 闘病生活で大変なことについては, 他の患者家族の体験と提言も盛り込んだ. 問題として挙がったのは, 全般的な情報不足に加えて医師・病院からの情報不足, 診断確定までの時間が長いこと, 転倒による怪我, 相談する場所め欠如, 胃ろうや気管切開の選択にまつわる問題, 頻回の吸痰の大変さ, 長期療養型施設・在宅支援システム・ホスピスの不足(QOLの確保の困難, 医療行為が増えると受け入れ施設が減る), チーム医療の欠如, 医療チームと患者家族間のコミュニケーションの欠如である. PSP支援プロジェクトは, 米国PSP協会の資料の翻訳を手がける翻訳プロジェクトと患者家族のための日本語のメーリングリストの運営を合わせたものを指す. 翻訳プロジェクトに関しては厚生労働省精神・神経疾患研究委託費(15指-3)「政策医療ネットワークを基盤にした神経疾患の総合的研究」(主任研究者湯浅龍彦)研究班PSP小委員会のメンバーから多大なご協力をいただいている.

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