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神経疾患における転倒・転落の特徴
饗場 郁子
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2006 年 60 巻 1 号 p. 15-18

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抄録

「政策医療ネットワークを基盤にした神経疾患の総合的研究」班・平成16年度転倒グループ7施設で, 神経疾患患者598例における転倒の実態調査を行った. 転倒患者率は, パーキンソン病(PD)14.2%/33.8%(入院/外来), 進行性核上性麻痺(PSP)17.7%/61.9%, 大脳皮質基底核変性症(CBD)50%/20%, 多系統萎縮症(MSA)4.3%/37%, 筋萎縮性側索硬化症(ALS)4.0%/21.7%, ニューロパチー5.9%/28.2%で, 全体では9.7%/33.2%であった. 入院患者の転倒事例率はPD4.0‰, PSP3.3‰, CBD5.4‰, MSA1.5‰, ALS2.4‰, ニューロパチー2.1‰で, 全体では2.9‰であった. 外来患者では, PSPのみが他の疾患に比し有意に転倒の危険性が高く(p<0.005), PSPであること自体が転倒の危険因子(オッズ比3.66)であった.

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© 一般社団法人国立医療学会
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