医療
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筋萎縮性側索硬化症を支える医療システムの構築
―政策医療神経ネットワークの役割―
湯浅 龍彦
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2006 年 60 巻 10 号 p. 610-614

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抄録

筋萎縮性側索硬化症(ALS)の医療にはさまざまな未解決の問題が存在する. 時代の進歩は決して物事を解決に導かない. むしろ, ALSの診断, 病名告知, 医療体制の整備, 長期療養にともなってこれまで考えられなかったさまざまな問題が発生している. 長期療養にともなう身体的合併症, 生き甲斐の問題, 尊厳生と尊厳死の問題, ALSの緩和医療に関わる環境整備, 新たな治療法への挑戦など国立病院機構(NHO)神経内科が取り組むべき課題が尽きることはない.
過去6年間NHOとナショナルセンター病院神経内科医師を中心に精神・神経疾患研究委託費(15指-3)「政策医療ネットワークを基盤にした神経疾患の総合的研究」班が活動してきた.そこでは神経難病医療の質の向上を目指して将来の神経難病医療を支えるであろう若き班員が熱心な討論を継続してきた.
本稿では, 平成17年7月に長崎で開催された夏期ワークショップでの話題を中心にALS医療の現状を語り将来を展望した.

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© 一般社団法人国立医療学会
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