2006 年 60 巻 2 号 p. 92-97
第1例目の症例は83歳の女性で, 咳, 喀痰, 発熱のため受診した. 両側の肺炎と右中葉の肺癌と診断された. 抗菌剤で治療した後, 放射線治療が行われた. 1年後, 胸部CT像で多発性の肺転移が認められ, ゲフィニチブ投与された. 初めはゲフィニチブを毎日投与してが, 重篤な有害事象のため3日目ごとの投与とした. 肺転移は治療開始1ヵ月後消失していた. 第2例目は74歳の女性で, 右胸水のため入院となった. 右下葉の肺癌と癌性胸膜炎と診断された. ドレナージ後に胸膜癒着術を施行した. 4ヵ月後に症例は左胸水と癌性リンパ管症のため呼吸困難をきたし入院となった. ゲフィニチブの治療で呼吸困難は速やかに改善した.