医療
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放射線部門の建物を検証する
平畠 泰雄
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2007 年 61 巻 1 号 p. 30-37

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抄録
従来の放射線部門の建物は医療従事者側の都合による設計や施工がなされてきたが, 今後の放射線部門の建物は, 患者の目線に立った施設環境を整備すべきである. 姫路医療センターは平成6年より更新築整備が開始され平成16年に完成した. 当放射線科が患者の目線に立った配慮をされているかどうか国立医療・病院管理研究所施設計画研究部によってまとめられた施設環境評価チェックリストに基づいて検証をした. 新放射線科は旧館に比較し約2.5倍の面積を確保されており, X-TV(X線TV透視室)・CT検査では中待合型式の更衣室を4室設置している. 一般撮影の更衣室は付き添い者同伴で車椅子のまま入室可能である. 放射線科内各種案内表示も高齢者に配慮された具体的な案内でわかりやすく掲示されている. 最近の放射線科受診者調査では高齢者や車椅子移動の受診者が過半数を超えている. このような現状を踏まえ放射線部門の建物でも安全性の確保・身体機能低下への配慮・情報への配慮等多くの項目に対し病棟と同等以上に評価がされるべきである.
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© 一般社団法人国立医療学会
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