医療
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医薬品の安全使用に関する実態調査
―職種間での薬剤の知識の格差と職種間連携を阻害する因子について―
大川 禎子斎藤 泰紀西村 康人菊地 秀
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キーワード: 医薬品, 安全, 知識調査
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2007 年 61 巻 10 号 p. 679-681

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抄録
与薬業務に関わる病棟での薬剤安全を計る目的で, 薬剤の基礎知識と安全性に関する実態調査に関して院内のさまざまな職種にアンケート調査を実施して, 職種間の知識の違いや, 多職種間の連携について現状を把握した.
(1)看護師は指定された濃度, 容量の注射液を, 希釈調製することが苦手であった. したがって対策としては, 計算を必要としない, 具体的な調製法が指示に記載されるとよい. (2)医師は専門分野以外の薬剤の知識は十分ではない. 処方オーダリングに上限値を設けることが必要である. また, 併用禁忌のドラッグインフォメーションが必要である. (3)薬剤師は「計算問題」「副作用とその対応」「相互作用」「投与禁忌」等において優れた専門性を発揮した.
また, 職種間の連携を阻害する因子として, (4)医師の指示出しのときの薬剤名が, 一般名であったり商品名であったり統一されていない. (5)容量・単位が統一されていないなど今後改善すべき点が指摘された.
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