医療
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国立病院機構神経内科における摂食・嚥下障害対策の現状
野崎 園子
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2007 年 61 巻 2 号 p. 86-91

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抄録
神経疾患の摂食・嚥下障害対策のゴールはよりよい栄養管理と食の楽しみであり, 神経疾患の摂食・嚥下障害の病態はさまざまでその出現様式により対応が異なる.
2005年における国立病院機構神経内科の調査では摂食・嚥下障害に対する施設の取り組みについて, 嚥下機能評価は37%の施設で, 訓練は直接訓練は67%の施設, 間接訓練は56%の施設, 嚥下困難食は57%の施設で実施されていた. これらは2002年調査時よりも増加していた. 他方で, 病棟内での患者の食物窒息の実態も明らかになり, 院内全体の啓蒙や患者・家族の早期教育の必要性が示された.
近年, 栄養サポートチームの必要性や誤嚥防止術の有用性が認識され, 摂食・嚥下対策における医療連携の必要性がますます高まっている.
今後の課題として, 診療報酬上の整備, 他科との連携を含む摂食・嚥下対策チーム体制の充実, 機能評価・訓練体制の確立, 地域医療との連携などが望まれる.
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© 一般社団法人国立医療学会
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