抄録
2005年1月1日から2006年7月31日までに静岡富士病院で肺感染症のため入院加療した深在性真菌症を疑う症例で, 血清(1→3)-β-D-グルカンが20pg/ml以上の高値を示した6例を対象とした. 抗真菌薬の投与による効果と経時的に測定した血清(1→3)-β-Dグルカンとの関連について検討した. 抗真菌薬投与後において(1→3)-β-D-グルカンが低下したのは4例であった. そのうち治癒したのは3例で, 1例は多臓器不全を併発し死亡した. 一方, 抗真菌薬投与の前後で(1→3)-β-D-グルカンに変化がなかったのは2例で, 特発性肺線維症を合併していた.