抄録
緩和ケアにおけるケアの目的は, (1)症状緩和による生活の質(QOL)の改善と(2)患者と家族を支えるケア, である. 今日の医療現場では, 加速する在院日数の短縮化にともない施設医療から在宅医療ヘシフトしているが, 積極的治療を終え在宅療養している患者へのサポート体制はいまだ整備されていないのが現状である. 患者が治療から終末期に至る闘病生活のなかで, 社会的な孤独を生み出さずに精一杯生きるために生を支えるケアとしてデイホスピスが始まった. デイホスピスは患者と家族へのQOLに配慮したケアである. デイホスピスは在宅緩和ケアサービスの一環として施設から在宅という点を結ぶ包括的緩和ケアを推進するうえで貢献することが期待されている.