システム制御情報学会論文誌
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感圧カーソルキーの動作特性とその改善
辺見 一男井上 和夫
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1990 年 3 巻 3 号 p. 84-89

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抄録

本論文はカーソルの移動速度を制御できるカーソルキーについて述べたものである.ここではカーソルキーの入出力特性として次の4種類を考える.
(1) 線形特性
(2) 2段階特性
(3) ロジスティック特性
(4) 指数特性これら4種類のカーソルキーを用いてポインティング実験を行なった結果次のことが明らかとなった.指数特性キーのポジショニング時間は4種類の中で一番短く, 特にターゲットサイズが小さい (直径3mm) 場合に顕著となる.確定動作時間, すなわちカーソルをターゲット内に微調整しながら導くのに要する時間については指数特性キーが4種類のキーの中で最も短かかった.しかしながら, このとき, 確定動作時間に占めるキー入力時間の割合は指数特性キーが最も大きかった.これらより, 被験者は指数特性キーを, キートップに加える力で制御しているのに対して, ほかのキーについては, キー入力を行なう時間によって制御していると考えることができる.さらに, カーソルキーのポジショニング特性をマウスと比較した結果, ロジスティック特性キーと指数特性キーによるポジショニング時間は, ターゲットサイズが最も大きい (直径12mm) とき, マウスと同等となることが確認できた.

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