1991 年 4 巻 4 号 p. 133-139
この論文は, 信用の欠如から生じる無知量を含む選好のモデリングを扱う.筆者らは, 「不確実性を考慮した価値関数」にDempster-Shaferの確率理論を導入し, 今回提案する悲観の度合いを扱える選好モデルとした.この論文で提案した記述モデルは, 代替案上の結果を示す要素として集合要素を取り扱う事ができるので, 信用の欠如した部分と不信用の部分を区別する事ができる.この結果, 従来の効用モデルでは説明する事が困難とされていたEllsburgの反例を適切に表現する事が出来る.また, この論文では悲観の度合いを表わす悲観関数の同定方法についても述べる.