日本画像学会誌
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論文
昇華型熱転写プリンタにおける濃度安定化の一検討
小堀 康功能村 岳之中野 哲夫Yuuichi TAKANO
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2000 年 39 巻 4 号 p. 414-420

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抄録
昇華型熱転写ビデオプリンタは,その中間調制御部のフルカラー化などにより高画質プリントを実現している.ところが昨今のグラフィック画像やオーバーレイ画像のプリントにおいては,色調の偏りが激しいことにより画像内のグレイバランスがずれてしまう現象が見られる.また同一画像の連続プリントにおいては,最初と最後のプリント画質がわずかに異なり,特にグレイバランスにおいてその差が目立つなどの現象がみられる.そこでこれらの原因を調査し,その改善策に関して検討したので報告する.
 まずは現状の感熱ヘッドにおけるプリント方式と温度補償方式を明確にするとともに,プリント画像と感熱ヘッドの検出温度との関係を把握した.これらの関係をもとに,プリント中のヘッド温度に応じて温度データを逐次切替える新方式の温度補償方式を提案した.この新方式の確立にあたり,温度切替え時の濃度段差の検知限を明確にし,必要な温度データの切替え精度を確立した.以上の検討により中間調制御部の温度補償精度を大幅に改善して,グレイバランスの平均ばらつきを従来の半分に低減したので報告する.
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© 2000 一般社団法人 日本画像学会
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