日本画像学会誌
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論文
  • 寺元 雄大, 宮﨑 直大, 安藤 啓太, 塚田 学, 星野 勝義
    2022 年 61 巻 5 号 p. 466-478
    発行日: 2022/10/10
    公開日: 2022/10/10
    ジャーナル フリー

    ヒンダードアミンは,エレクトレットフィルターの添加剤として知られているが,その作用機構については十分に解明されていない.本研究では,エレクトレットフィルターのモデルとして,正帯電性のヒンダードアミンを負帯電性のポリエステルにドープしたブレンドフィルムを作成し,その摩擦帯電挙動の検討を行った.具体的には,ヒンダードアミンのドープ率と帯電実験における周囲雰囲気湿度が帯電挙動に及ぼす影響について検討した.その結果,ヒンダードアミンのドープ率が10~20wt%のときに正負の帯電量がほぼ同等でかつその差が最大となり,内部電界が最も大きくなることがわかった.また,ヒンダードアミンのドーピングは,フィルムが周囲雰囲気中の水分から受ける影響を著しく低減させることもわかった.すなわち,ヒンダードアミン添加には,内部電界を増加させる効果と,水分の影響を低減させることによって帯電電荷を安定させる効果があり,これらの効果がエアロゾル粒子捕捉能を高めることが機構論的に示唆された.

Imaging Today
  • 伊藤 達朗
    2022 年 61 巻 5 号 p. 480-486
    発行日: 2022/10/10
    公開日: 2022/10/10
    ジャーナル 認証あり

    加飾技術は,物の価値 (商品力) を高めるため,表面を装飾する技術のことで,目的に合わせて様々な工法が開発され,多く分野に適用されている.それぞれの加飾技術には,意匠表現などの特徴があり,用途に応じて最適な技術を選定する必要がある.今後は単なる見栄え目的だけでなく,機能との融合,環境対応,少量多品種対応といった市場ニーズが高まってきており,これに合わせて加飾技術も進化を求められ,より高付加価値化が進んでいる.本稿では,加飾技術全般の解説とトレンドを紹介する.

  • 伊藤 達朗, 中野 俊介, 難波 正敬, 花田 朋広, 浜岡 弘一, 志村 昌則, 熊谷 正章, 矢葺 勉, 柴田 直宏
    2022 年 61 巻 5 号 p. 487-501
    発行日: 2022/10/10
    公開日: 2022/10/10
    ジャーナル 認証あり

    今後の加飾技術は「機能との融合」「環境対応」「少量多品種」が進み,高付加価値化が進むと予想される.本稿では,それらの最新技術の事例として「触感付与」「意匠性/抗菌性付与」「反射防止」「めっき工程簡素化」「環境対応素材」「ドライ加飾」「オンデマンド箔加飾」をピックアップし,個別に詳しく紹介する.

  • 安藤 汐視
    2022 年 61 巻 5 号 p. 502-507
    発行日: 2022/10/10
    公開日: 2022/10/10
    ジャーナル 認証あり

    産業用途におけるインクジェットを活用した印刷アプリケーションは様々な分野で応用され,建材やタイルなどへの加飾・装飾分野への展開も進んでいる.リコーのインクジェットヘッド (MHヘッドシリーズ) は,サイングラフィック,テキスタイル分野に限らず,加飾・装飾分野のプリンター向けに幅広くラインアップしている.これらのヘッドは広範囲なインクへの適用性と高耐久・高信頼性を有し,ヘッド内に配設されたヒータにより高粘度の液体を吐出させることができるため,加飾・装飾プリンターで幅広く使用されるUVインクの吐出に適している.また,インク循環型インクジェットヘッドを開発し,乾燥・沈降しやすい水性インクや機能性インクが安定的に吐出できるようになった.

  • 目﨑 大輔, 村井 秀世, 岩本 尚久
    2022 年 61 巻 5 号 p. 508-514
    発行日: 2022/10/10
    公開日: 2022/10/10
    ジャーナル 認証あり

    リコーデジタルペインティング社は,バルブジェット技術とそれを活用したシステム商品を開発し社会に貢献してきた.同技術は一般的なインクジェット技術と比較して,より高粘度の液剤を,より遠くに飛ばすことが可能であり,デジタル塗装を実現させるための鍵となる技術である.

    本稿では,まず大型車両のダイレクト加飾システムであるオートボディプリンターTMについて説明する.特に,車両へダイレクト加飾を実現するための特徴的な技術である,バルブジェットヘッド構成,印刷方法,専用インク,メンテンナンス機構,車体の凹凸追従機構,について詳しく説明する.その後,バルブジェット技術を用いた他のシステム商品の,LPGボンベ用プリンター,シームレスボンベ用プリンター,タイヤプリンター,ボトルプリンターについて特徴を紹介する.

  • 佐々田 美里, 高田 勝之, 河本 匠真
    2022 年 61 巻 5 号 p. 515-521
    発行日: 2022/10/10
    公開日: 2022/10/10
    ジャーナル 認証あり

    古来より,華やかな加飾として,貝を原料とする螺鈿細工やタマムシの羽を使用した玉虫厨子が知られている.これらは,貝やタマムシの羽に見られる構造発色による加飾方法である.現代でもその特殊な発色は高付加価値な加飾技術として注目され,工業製品等に用いられている.また,インクジェットはデジタル・オンデマンド性が高く,少量多品種への対応に適し,細線やグラデーション等の自由度がありデザイン性に優れる.当社は,インクジェットで構造色を印刷する技術を新たに開発した.染料や顔料を用いず,特定の波長の光を反射する光の波長程度の構造を印刷後に発生させることで発色し,構造色の特徴である角度や背景色により発色が変わる特徴がある.本稿では,当社が開発した技術を例として,構造色加飾について紹介する.

  • 山本 尚三
    2022 年 61 巻 5 号 p. 522-528
    発行日: 2022/10/10
    公開日: 2022/10/10
    ジャーナル 認証あり

    現在,日本の伝統工芸品とされる236品目には南部鉄瓶のように金属と漆を組み合わせたものが多く,それらの製品は我々の身近にも存在する.そこで金属と漆の組み合わせの歴史を調べると,今から遡ること1600年前の古墳時代において既に甲冑に黒漆が塗られていたことが分析結果1)から判っている.また,末永2)や小林3)は古墳時代の甲冑に塗られた漆は革紐で綴じあわせなどした後にほどこされたものであり,その乾燥方法は通常の漆と同じように常温乾燥法によったものである,としており定説の一つになっている.しかしながら,漆は焼付乾燥でなければ金属に密着しないものの,鹿革などの紐で革綴じ後に焼付乾燥した場合には逆に革紐が熱劣化するため,革綴の作業性と防食性とのトレードオフとなる.そこで,これらの真偽を見極めるために今回検討を行った.その結果,表面性能は焼付乾燥した方が圧倒的に高性能であり,その名残が甲冑の凹みにも垣間見えた.また,分光測色計を用い非破壊で黒漆甲冑部を測色した結果,焼付由来の特徴を持つ分光反射率のプロファイルも得られた.更に,漆塗工程と革綴工程を入れ替えることで革紐を熱劣化させずに焼付乾燥法を採用できる可能性があることも判った.これらのことから,革綴の作業性と防食性とのトレードオフを緩和するために従来と逆の部品成形段階で焼付漆技法を採用し,その後,革綴している可能性があるとの結言に至った.

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