日本画像学会誌
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論文
二成分導電性磁気ブラシ現像法におけるかぶり現象の理論解析
木村 正利佐々木 幸雄佐藤 邦彦
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2002 年 41 巻 1 号 p. 40-45

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抄録

二成分導電性磁気ブラシ現像法における背景部汚れである“かぶり”を発生させない条件を理論的・実験的に検討した.
 一般に,低帯電トナーはかぶり現象を引き起こすことが経験的に知られている.この経験則を定量的に明らかにするため,現像領域におけるトナーに働く静電力と感光体とトナー間のファンデルワールス力に注目し,かぶりと各種現像パラメータとの関係について理論解析を行った.その結果,1) 低帯電トナー或いは過剰帯電トナーがかぶりを引き起こし,トナー帯電には最適帯電量範囲が存在する,2) 感光体の静電容量の増加やトナーの小粒径化がかぶりマージンを増加させる,ことを定量的に明らかにした.さらに,得られた理論式を用いる事により,かぶりがなく,しかも充分濃いい印字濃度を得る事ができる最適な現像パラメータ (感光体の静電容量,逆バイアス,トナー粒子径,トナー比電荷)の設計指針を得た.

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© 2002 一般社団法人 日本画像学会
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