日本画像学会誌
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原著論文
消去可能トナーの残像変動要因の研究
高山 暁五反田 武志佐野 健二
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2005 年 44 巻 5 号 p. 326-331

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抄録

消色可能トナーで印刷した画像を熱消去した後に残る残像の濃度を最小化するために,残像濃度が変動する要因を調べ,残像濃度に大きく影響する因子を明らかにした.それは紙の種類と吸湿量の主効果と交互作用である.残像濃度と,紙の吸湿量及び紙の特性との相関を調べ,紙の吸湿量と紙のpH 値に,残像が最小化する範囲があることを確認した.さらに紙の特性値と残像との相関を調べ,平滑度と孔径が残像濃度と強い相関を有することも確認した.これらの量は紙の乾燥性に関係すると考える.消色可能トナーの残像を最小化できる推奨紙は,平滑度33秒以上,平均孔径1.6 μm 以下,pH 値7.0前後の紙である.

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© 2005 一般社団法人 日本画像学会
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