抄録
一般的に粉体(粒子)の基本的な物性パラメータは,粒子径(粒度分布),形状,比表面積などが挙げられる.中でも粒子径を計測するための技術は非常に重要であり,昨今のナノテクノロジーを始めとする微細化,高機能化への追及に伴い,ナノ粒子測定のニーズの高まりと,より微小サイズの粒子に対する粒度分布測定装置が求められるようになってきている.一方,粉体材料改質のための造粒,コーティング技術の発展もめざましく,より広い粒子径範囲で測定ができる装置が望まれている.現在,粒子径を計測する手法は,測定対象の粒子の大きさによって一様ではない.また,得られる粒子径情報の意味合いも様々であり,測定者も対象粒子の大きさや目的に応じた適切な計測技術の選択が必要である.本稿では,このような現状を踏まえて,粒子径(粒度分布)に重点をおきながら,粉体粒度分布計測技術の原理や特徴および最近の動向について解説する.