2008 年 47 巻 5 号 p. 439-444
近年,液晶ディスプレイの高色再現技術としては,主にLEDバックライトの液晶ディスプレイや4原色以上の原色を用いた多原色液晶ディスプレイなどが提案されている.本件では,色再現の評価指標として物体色を用いその包含率の評価をおこない,LEDバックライト液晶ディスプレイがほとんどの物体色を包含できることを示し,3原色ディスプレイの一つの到達点であることを紹介する.更に,多原色ディスプレイとして5原色(RGBYC)ディスプレイを提案し,5原色のディスプレイが光学的に最も効率よく物体色を包含する手段の1つであることを示す.多原色液晶ディスプレイは,LEDバックライト液晶ディスプレイに並ぶ,将来性のある広色再現技術であるといえる.