日本画像学会誌
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原著論文
可視化技術を用いたクリーニングブレードの挙動解析
小笠原 正
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2011 年 50 巻 4 号 p. 280-286

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抄録

近年,電子写真記録システムの高画質化や長寿命化のため,ケミカルトナーや長寿命感光体が使用されている.その際,信頼性を確保するためにクリーニングプロセスの役割が重要視されているが,トナーや外添剤などの動的挙動や,それらの粒子が他に及ぼす影響など,未解明の事象が多いのが現状である.そこで,これらの事象を解明するために可視化が最も有効な手段と考え,ガラスドラムを用いた可視化観察システムを構築して実機をシミュレートし,果因に基づき現象を解明する試みを行った.その結果,スティック・スリップなどブレードクリーニングの基本的な現象を可視化し,詳細を明らかにした.また,プレニップにおけるトナーや外添剤の流れを解析し,プレニップ最先端部に凝集している外添剤の研磨作用が感光体磨耗の主要因であるという磨耗メカニズムを明らかにした.

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© 2011 一般社団法人 日本画像学会
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