2011 年 50 巻 4 号 p. 313-318
微粒子の複合化において,原料粉末に機械的なエネルギーを付与することで複合化する手法が一般的であるが,本研究では,粒子表面の電荷を制御することで,母材粒子と添加粒子間に働く静電相互作用を利用した新規な複合法を提案した.二種類の高分子電解質を用いることで,十分な電荷密度を有する粒子を調整し,静電吸着させることで母材表面に添加粒子を均一に被覆することができる.本稿では,静電吸着複合法の詳細を実例を示しながら解説する.また,得られた複合粒子の形態を制御することで,微構造の異なるナノ複合材料を作製した例について紹介し,本手法の有用性を示す.