日本画像学会誌
Online ISSN : 1880-4675
Print ISSN : 1344-4425
ISSN-L : 1344-4425
Imaging Today
表面プラズモンによる発色と塗料への展開
小林 敏勝
著者情報
ジャーナル フリー

2011 年 50 巻 6 号 p. 556-562

詳細
抄録

金や銀などのナノ粒子の懸濁液や含有皮膜は赤や黄色に着色する.これは粒子に存在する表面プラズモンが特定の波長の光と共鳴振動し,その波長の光を吸収する結果,吸収された光に該当する色の補色が観測されるためである.本稿では表面プラズモンによる光吸収の機構と吸収する波長に与える要因を平易に解説する.次に,色材として有用な金や銀ナノ粒子の調製について,筆者らが開発した方法を紹介する.この方法を用いれば金コア銀シェルのような複合ナノ粒子も調製可能である.最後にコーティング分野へ金ナノ粒子を応用した例を題材に,コーティング用色材としてのプラズモン発色の特徴を紹介する.

著者関連情報
© 2011 一般社団法人 日本画像学会
前の記事 次の記事
feedback
Top