日本画像学会誌
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原著論文
LED光源下での印刷画像の表色定量評価
関 晴之宇都 有昭小杉 幸夫
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2012 年 51 巻 6 号 p. 613-621

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抄録

高効率,長寿命などの特徴によりLED照明の普及が著しいが,LED照明は分光特性の異なる照明環境間でのカラー画像データ交換時に,従来の蛍光灯などの光源に比べて数倍に及ぶ分光的色差を生じ,忠実な表色を損なっている.CIE (国際照明委員会) が定めたCRI (演色評価数) は正確な表色環境構築の一定基準となるが,これらはカラー画像データ交換時に照明光源と色再現が同時に異なる実態に即したものではなく,問題解決のためには光源と色再現双方からの定量評価導入が急務である.本研究では定量評価方法として分光データ取得に優れた特徴を有するハイパースペクトルセンサを導入し,得られたデータから換算したCIEL*a*b*均等色空間色値に基づく表色評価指標値による評価比較方法を提案する.さらにこれらの評価実験結果を主観評価実験により検証し,本研究提案の定量評価の有効性を確認した.また問題軽減のため,光源と色再現の分光分布の変化度合いを少なくすることの有効性も見出された.

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© 2012 一般社団法人 日本画像学会
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