日本画像学会誌
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Advanced Technology
ナノカーボンのこれまでと今後の展開
藤澤 一範林 卓哉村松 寛之鶴岡 秀志竹内 健司遠藤 守信
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2014 年 53 巻 1 号 p. 36-45

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抄録

我々の生活を支えているシリコン (ケイ素) をベースとした半導体技術が大変革を実現した一因に物性·機能の制御が可能となった点が有る.またケイ素は資源が潤沢であり,偏在していないことが重要であった.同じ14族の炭素は地表においてケイ素の1/1000程度の存在量であるが集中的に存在して利用しやすく,またsp3結合が主となるシリコンと異なり,炭素はsp2sp混成軌道の結合性によって多様な構造体が実現できる.このため,構造の制御によって広い範囲の物性制御が可能である.特に次元性を備えたナノカーボンでは特異な物性が発現し,かかる理由から近年,最も活発な材料研究領域となっている.本稿ではフラーレンやナノチューブ,そしてグラフェンといったナノカーボンとその類型について,特に応用と安全性に関して先行しているカーボンナノチューブを中心に概説したい.

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© 2014 一般社団法人 日本画像学会
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