日本画像学会誌
原著論文
インピーダンス分光法によるトリフェニルアミン誘導体添加ポリマー膜の電荷輸送特性解析
石井 佳太中村 一希小林 範久
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53 巻 (2014) 4 号 p. 259-264

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抄録

電荷輸送特性の解析にはTime-of-flight (TOF) 過渡光電流測定が一般的に用いられている.しかし,TOF法では高電圧の印加や紫外光レーザーなどのパルス光の照射を行うため,素子へのダメージが問題となる場合がある.また,有機EL (OLED : Organic Light-emitting Diode) などに用いられる1μm以下の薄膜の測定が困難であるといった欠点がある.インピーダンス分光法による移動度解析では,直流電圧と微小な交流電圧を素子に印加し,重畳した交流電圧に対する素子の応答からキャリア移動度の解析を行う.この手法は,レーザー光の照射や高い電圧の印加の必要が無いため素子へのダメージを軽減でき,膜厚1μmを切る有機EL素子などでも積層膜そのままでの測定ができるといった利点がある.本研究では,トリフェニルアミン誘導体薄膜の電荷輸送特性の解析を,インピーダンス分光 (IS:Impedance Spectroscopy) 法を用いて数百nmから数μmの膜厚の膜に対して行い,TOF法による測定結果との比較を行った.その結果,IS法による解析においても従来のTOF法と同様にプールフレンケル型の電界強度依存性が明確に観測され,その移動度は10-6cm2/Vs程度の値を示した.また,IS法により算出された移動度は,TOF法によって求めた結果と良く一致した.さらに,移動度の電場および温度依存性からdisorder理論を用いて電荷輸送パラメータの解析も可能であることが分かった.

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© 2014 一般社団法人 日本画像学会
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