抄録
2004年の商用化以降,電子ペーパーディスプレイ (Electronic Paper Displays, EPD) は,読みやすさ,超低消費電力,薄型·軽量といった特長により,電子読書端末として普及した.紙媒体が,本や雑誌以外にも,広くポスター,壁紙,パッケージ,標識やラベルなどに適用されるように,電子ペーパーには,電子読書ではない「産業用途」の大きな未開拓市場があると考える.電子ペーパーと通信のコストが下がるにつれ,この市場は大きく成長すると期待する.本稿では,産業用途として電子ペーパーのデジタルサイネージを概説し,特に超低消費電力という特長を最大限に活かせ,2011年の東日本大震災後の社会的な課題に応える「防災」用途での活用を含む取り組みを説明する.