抄録
劣化画像復元に用いられる従来の2次元カルマンフィルタの多くは,復元する復元対象領域をその周囲の参照領域の全ての画素を用いて劣化画像復元を実行している.そのため,復元対象領域と参照領域の相関が低い場合は十分な復元精度が得られないのにも関わらず,多くの処理時間を必要とする問題が存在する.そこで本論文では,2次元カルマンフィルタの前処理に判別分析法を用いた劣化画像の画素分類を行うことで,参照領域から復元対象領域と相関の高い画素の選択を行い,得られた画素から成る選択参照領域を,有色性駆動源を含む2次元カルマンフィルタに適用することで劣化画像復元を実現する.提案手法の特徴は,参照領域から成る選択参照領域を復元に用いることで,従来と比較して復元精度を維持しつつ劣化画像復元の処理時間短縮を実現したことである.提案手法の有効性は,(a)処理時間評価,(b)視覚評価,(c)主観評価を用いて確認されている.