日本画像学会誌
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希土類元素ブロック高分子を用いた表示材料への展開
長谷川 靖哉
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2019 年 58 巻 1 号 p. 138-146

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抄録

希土類は高色純度の発光を示す元素としてよく知られている.その中でもテルビウムイオン (Tb(III)) は緑色,ユウロピウムイオン (Eu(III)) は赤色,そしてサマリウムイオン (Sm(III)) は深赤色の発光を示すことから,これまで様々な表示材料や画像材料に用いられてきた.ここでは新しい画像材料として,希土類イオンと有機連結配位子から構成される発光性の希土類配位高分子 「希土類元素ブロック高分子」 について紹介する.この希土類元素ブロック高分子は発光性の希土類錯体とは異なる優れた熱耐久特性や強発光特性を示す.希土類イオンと有機配位子から構成される一次元,二次元,そして三次元の繰り返し構造が様々な構造形成や特徴的な光物性をもつ新規な有機材料として特筆すべき性能発現を誘起する.本解説ではディスプレイ,温度センサー,そして未来の画像応用へ向けた希土類元素ブロック高分子について説明する.

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© 2019 一般社団法人 日本画像学会
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