液体現像方式による軟包装印刷物の接着強度,及び接着に対する分散剤の影響について調べた.液体現像剤はトナーと非極性溶媒,及び分散剤から構成される.軟包装物はPET基材上にトナー像を定着して画像を形成し,熱硬化性接着剤を用いてラミネートフィルムを被覆して作製した.市販の高分子分散剤は,非極性溶媒へのトナー分散を良好にする疎水成分,及びトナー樹脂との親和性の高いアミン成分を含む.疎水成分はトナーと基材との極性基相互作用を妨げ,アミン成分は接着剤中のイソシアネートと反応して接着剤の寄与を弱めてしまうため,どちらもトナーと基材との接着性を低下させると推察した.アミン成分の構造と疎水成分の比率を最適化した分散剤を作製し,それを用いた現像剤により,軟包装用途に十分な接着強度を達成することができた.