日本画像学会誌
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柔軟なホウ素元素ブロックを基盤とした刺激応答性発光材料の設計
田中 一生権 正行中條 善樹
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2019 年 58 巻 1 号 p. 81-92

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抄録

ヘテロ元素を含む機能性ユニットを元素ブロックと呼ぶ.従来のホウ素錯体は高い剛直性と平面性に由来して,効率の良い発光特性を示すことから,発光性元素ブロックとして有用性が高い.ここで,一般的な有機色素が発光する希薄条件下において光らない柔軟性の高いホウ素錯体が見出されてきた.そして,これらの錯体の励起状態での挙動を制御すると,特異な刺激応答性の発光特性が得られることを筆者らは見出した.本稿では,これらの 「柔軟な」 ホウ素錯体が発見された経緯と,それらの錯体から成る元素ブロックを基盤としたユニークな発光特性について述べる.さらにそれらの特異な物性を用いた外部刺激·環境応答性の発光材料開発について説明する.主なトピックスとして,凝集誘起型性や発光クロミズム,それらの現象に基づくセンシング材料開発について最近の進捗を述べる.

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© 2019 一般社団法人 日本画像学会
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