物体表面の光反射を低減する有力な技術の一つであるモスアイ技術は,優れた低反射性能を低コストで実現することから注目を集めてきた.蛾 (モス) の目 (アイ) の表面に形成されているナノ突起構造を模した構造を表面に敷き詰めたフィルムであるモスアイフィルムは,超低反射特性を活かしたディスプレイ用途に加えて,特異な表面機能を活用したさまざまな新規用途提案がなされている.ナノ構造により発現する蓮の葉効果,すなわち超撥水性を利用した防汚性フィルムや,超親水性を利用した防曇性フィルム,さらに,バイオ・医療分野への応用として,3次元細胞培養シートや抗菌効果を示すシートが開発されている.本稿では,超低反射特性と組み合わせることが可能となる機能として,防汚特性,防曇特性,抗菌特性,および新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) の流行で社会的な需要の高まる抗ウイルス特性について紹介する.