日本画像学会誌
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Imaging Today
脱炭素社会の形成に貢献する「CO2ゼロ印刷」
大川 哲郎
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2022 年 61 巻 4 号 p. 386-391

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抄録

地球温暖化による気候危機の問題は,近年甚大化し頻発する気象災害によって私たちにとってより実感されるものになった.世界的に脱炭素への動きが加速化し,SDGs (持続可能な開発目標),ESG (環境・社会・企業統治) といった視点で企業が評価されようになった背景には,このような気候危機に対する深刻な問題がある.

これまで環境と経済はいわゆるトレードオフの関係であると言われ,なかなか両立が困難であると考えられてきた.しかし,現在はこの深刻な気候危機を回避するために数多くの産業において様々な取り組みがなされ,創意工夫によって新たなチャレンジが進められてきている.そこで印刷産業における脱炭素に向けた取り組みとして,再生可能エネルギー100%,サプライチェーン排出量もできる限りゼロ化し印刷する「CO2ゼロ印刷」を進めてきた.環境と経済の両立によってより良い社会の形成をしていくために,この「CO2ゼロ印刷」について紹介,考察する.

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© 2022 一般社団法人 日本画像学会
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