日本画像学会誌
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Imaging Today
農業生産におけるドローンリモートセンシング
大段 秀記
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2023 年 62 巻 3 号 p. 219-224

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抄録

農業では農家の高齢化及び農家数の減少が深刻で,先端技術を活用したスマート農業を導入することにより,省力化,効率化を図ることが喫緊の課題となっている.ドローンの性能は目覚ましく進歩しており,スマート農業の推進に貢献すると期待されている.農業でのドローンの活用方法は農薬散布等いくつかあるが,リモートセンシングでの利用は,データを活用した効率化に大きく貢献すると考えられる.ドローンリモートセンシングを活用した作物の生育診断を行うには複数の波長の反射画像を撮影できるマルチスペクトルカメラの利用が有効である.マルチスペクトルカメラから得られた画像を基に,植物の繁茂度や活性度を表す植生指数を計測することで,栽培する作物の生育の良し悪しを判断できる.ドローンの飛行高度を100m以上に設定することで広域の画像データを効率的に取得でき,ほ場ごとの生育診断にも活用できる.また,農業用のマッピングソフトを利用することで,大量の画像データも高速に処理できる.

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© 2023 一般社団法人 日本画像学会
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